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プロローグ
「美夜~。中間の結果どうだった?」
帰りのHRも終わり、皆がさっき渡された中間テストの結果を見せ合ったり隠したりしている。
そんな中、友達の宮根 花穂も例に漏れずあたし、月見里 美夜のところに来た。
「そういう花穂はどうなのよ?」
あたしに先に言わせようたってそうはいかないんだから。
「え? あたしは……期末に期待ってことで!」
胸を張って言うことかな?
あたしは呆れながら自分の順位をもう一度見る。
68位。
一年生は130人くらいだったから、丁度真ん中くらい。
これを良い結果と言うか悪い結果と言うか、それは人それぞれだと思う。
「へー……いつもながらコメントに困る順位だね」
と、いつの間にかあたしの手元を覗き込んでいた花穂が耳元で呟いた。
「ひゃあ! 見ないでよ!?」
「いいじゃーん、ちょっとだけ! 英語だけでも点数見せて!」
「何で!?」
「英語だけなら勝てそうな気がするから!」
そう言ってる時点で他は点数が悪いと言ってるようなものじゃない!?
結果の紙を胸に当てて見せない様にしてても迫って来る花穂。
あたしはジリジリ近付いて来る花穂から逃げようと椅子から立ち上がって後退りした。
すると――。
ドンッ
丁度背後にいた人とぶつかってしまう。
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