白くて細い、項

8/18
前へ
/19ページ
次へ
「……恭平……」 瑠風の上から退いた後、気まずさから襟足をガシガシと掻く。 布擦れの音と共に、背後から感じる視線。 転がった写真立てを拾い上げれば、弱々しい瑠風の声が聞こえた。 「……軽蔑、した……よね」 「……」 中学校の制服を着た瑠風と、ビジュアル系バンドやホストクラブにいそうな、綺麗な顔立ちをしたスーツ姿の男性。 自撮りだろう。親密な関係なのだと解る程二人は密着し、今まで見た事もないような笑顔の瑠風がそこにいた。 「そうだよ。僕………男性が好きなの」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加