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二年後
「ねぇ晴子」
「なに、雪」
「手紙の内容、全然頭に入ってこないんだけど」
「わかる」
友人・深月の結婚式の披露宴。雪は同じテーブルの晴子に耳打ちした。
今は深月が親へ感謝の手紙を読んでいる最中。バックで、明らかに彼女の趣味とは思えない曲が流れている。
「なんていうか、古臭くね」
「それな」
「歌詞もめっちゃクサいし」
「わかる」
「あっ、でもハモリ超綺麗」
「ヤバ」
「あとさ、」
「うん」
ちらと親族席の方に目をやり、雪は苦笑した。
「深月のパパ、泣きすぎじゃね」
「それな。まじウケる」
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