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なんだあいつ。 物語的にもあり得ないだろ。 しかも副会長っぽい人と仲良さげだし。 どうなってんだ?これ。 一瞬思考が停止しそうになったが、なんとかフル活動させ、王道転入生っぽく話しかけてみることにした。 「あんた誰、…じゃなかった、えっとどちら様、ですか?」 「あれ、敬語なれてないの?じゃあ話しやすいのでいいよ!気楽にいこ!」 「そ、そうか?じゃ、じゃあそうする!」 なんだこの美形。普通に話しやすいぞ。 めっちゃ美形なのに何だろう。この、人にすかれそうな笑顔。 見ていて癒されるというか、なんと言うか……。 じーっと謎の美形の顔を見ていると、副会長っぽい人が咳払いをした。 「コホンっ」 「ん?どした?」 「いえ別に。それより、あなたが転入生の夢咲悠さんで間違いありませんか?」 「あ、あぁ!そうだっ、じゃなくて、そうです!はい!」 そう答える俺をじーっと見つめる副会長っぽい人。 するとさっきまで見せなかった笑顔を俺の方へ向けた。 おっ、これが噂の偽りの微笑みってやつか!
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