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言ってやったぞ。これで副会長ルートは大丈夫だな。 心の中でホッと息をつく。 笑顔を指摘された副会長は自分の偽りの微笑みを見抜いた転校生に、惚れてキスをする。 そろそろ何かアクションが起きるだろうか。 そう構えていたのだが、副会長──東雲はさっきまでの笑顔を消し去り、無表情で俺を見ていた。 隣に立っている一般生徒(仮)──橘は俺と東雲を交互に見てはオロオロとしている。 なんだ?なんで二人してそんな表情をするんだ? ここは副会長の恋心が芽生えるんじゃないのか? さっきから少しずつイレギュラーなことが起き始めている。 もしかしてここは、王道学園ではない、のか……? 「……貴方、いきなり失礼じゃないですか?私の笑顔が何です?貼り付けてる?貼り付けて何が悪いんですか。転入してきたばかりの貴方に愛想良くしているだけでも褒めて欲しいぐらいなんですよ。そもそも、年上に敬語が使えない時点で可笑しいですからね?分かってます?」 「ちょちょちょっ!恵ストップ!!転入生くん怖がってるから!」 「伊月、止めないでください。私はまだいい足りないんですよ。」 「それでもダメ。俺と生徒会室戻ろ?ね?」 「…………仕方ないですね。伊月の頼みなら一度生徒会室に戻りましょうか。」 東雲の返答にホッとした様子の橘。 俺はと言うと、突然の猛攻撃に一瞬頭が真っ白になってしまった。 どうしてだ?笑顔を指摘しただけであんなに怒るものなのか? 王道学園では当たり前の展開なんだぞ?
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