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東雲はポカンとした表情をしている俺をチラッと一度見てから、橘の手を握って歩き出してしまった。
橘はこちらをチラチラと振り返りながら、職員室の場所を大きな声で教えてくれたが、そのまま二人して去ってしまった。
「…………な、何なんだよ、副会長の奴。俺は王道転校生だぞ?何であんなに言われなきゃならないんだよっ……」
小さく舌打ちをして、立花が教えてくれた道を辿って職員室へと向かった。
職員室へと向かう道中、俺は先程の出来事を考えていた。
王道転校生としての俺の指摘はおかしくなかったはず。
どうしてあそこまで怒るのだろうか。
そして橘が止めに入ったとこで怒りが収まったのは何故なのか。
話し方や見た目からは、どう考えても橘は一般生徒に見えなかったが、話しやすかった。そして美形だ。
もしかしたら橘が東雲の弱みでも握っているのか?
だとしてもよく分からない。
「まぁ、あとから分かるか!とにかく次だ次!」
俺は次に出会うであろうホスト教師のことを考えながら、東雲と橘のことは頭の片隅へと移動させる。
副会長ぐらい、どうってことない。
他の生徒達でハーレムを築けばいいのだから。
俺はそう結論づけた。
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