第13話 がしゃどくろ

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第13話 がしゃどくろ

 テンマ、ヒョウガ、リンエンたちはがしゃどくろに向かって走り出した。  巨大な敵に立ち向かう姿は戦士そのものだ。 「おい、誰か勝算あるやついるか?」 「無いな」 「残念ながら私にもあるとは思えん」 「だよな」  三人は目で合図をし、二手にわかれた。  テンマはがしゃどくろの右側、リンエンとヒョウガは左側に向かった。  がしゃどくろは右手を上げテンマに向かった振り下ろした。   テンマはそれを避け、がしゃどくろの右腕に乗ると、渾身の力を込め、大剣を叩きつけた。 「うおおおおおおおおおお!」  がしゃどくろの右腕にヒビが入り出し、それが模様を描くかのように腕全体に広がった。 「もう一回だ!」   飛び上がったテンマは大剣を投げつけた。  あまりの高さ、速さに大剣は炎を纏い、がしゃどくろの右腕を突き抜けた。  大剣が突き抜けると右腕は時間差で弾け飛んだ。  骨の雨が降るかのように地面に落ちていく。  無くなった右腕を確認するがしゃどくろだが、そこに感情があるのかわからない。  ヒョウガたちは左腕を坂にし、駈け上がっていった。 「テンマのヤツ、腕を破壊するとは考えたな!」 「ああ。ヒョウガ、こちらはどうする?」 「右腕が無くなっちまった今、巨大骸骨の頭を登るのはこっちしかないだろ?」 「それもそうだな」  おとなしかったがしゃどくろの左腕が動き始めた。 「やばい!」  「くッ! 間に合うか!」  リンエンとヒョウガが頭部に着く前に腕は天を突き刺すかのようにあがった。  宙に放り出されるリンエンたちだが、ヒョウガは左腕が上がったときに一緒に出てきたわずかな岩と石を足場にし、リンエンを抱きかかえると、頭部に向かった。 「祈祷師にはこんな芸当できねぇだろ!」   ヒョウガは余裕を見せて頭部に向い、最後の岩を蹴り上げ、頭部の頂上に辿り着いた。
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