第8話 戦闘開始

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第8話 戦闘開始

「お前らは知らないようだな自分たちの立場ってものを」  ぬらりひょんはステッキをリンエンたちに向け言い放った。 「お前たちは破魔之天王(はまのてんおう)守護(しゅご)する者たちだってことだ!」  ぬらりひょんの後ろから妖怪たちが一斉に現れた。 「なんなんだ! ボクたちがあの腰抜けのお()りをしろってのか!」 「ヒョウガ! 今はそんなことを言っている場合ではないぞ!」  リンエンたちを何体もの妖怪たちが取り囲み飛びかかってきた。 「うおおおお!」  テンマが大剣を一振りすると二十体もの妖怪が一瞬で真っ二つにされていった。 「ヒョウガ、文句ばかり言っているとやられるぞ」  テンマは低い声で冷静に言った。 「ほう? 案外、デカい兄ちゃんの方が落ち着いてるものだな」   ぬらりひょんはリンエンとヒョウガを馬鹿にしたような目つきでニヤリと笑った。 「馬鹿にしてもらっては困るな」  リンエンは太刀(たち)を抜いた。  その太刀の(やいば)(ふだ)で巻かれていた。。 「ケッ! 悪趣味な太刀だぜ!」  ヒョウガは吐き捨てるようにリンエンを睨みつけた。 「そんなことばかり言ってると嫌われるぞ。忍者くん?」  リンエンは切れ長の目から鋭い視線をヒョウガに浴びせた。  札で巻かれた太刀を地面に突き刺し真言を唱え始めた。 「ナウマク サンマン ダアバア サラダン センダン ソワタヤ ウンタラ カンマン! 威―――――――――――哉!」  リンエンの周りに風が起こり妖怪たちが次々と消滅していく。  ヒョウガはリンエンに言われたことに腹を立て、怒りを込めて叫んだ。 「どいつもこいつもボクを馬鹿にしやがってーーーーー!」  ヒョウガの周りから大量のクナイと手裏剣が現れ妖怪たちに向かって放たれた。 (……忍者というより魔法使いだな)   その場にいる全員がヒョウガの技に圧倒された。 「はははははは! お前ら面白いな!」  ぬらりひょんは手を叩いて笑った。  肝心の頼光は物陰に隠れて全員の戦いの様子を見て震えあがっていた。 「あ、あ、あ、あいつらがいれば、オレいらないんじゃんないかな……」 「そうはいきませんよ。破魔之天王(はまのてんおう)様」 
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