1人が本棚に入れています
本棚に追加
数秒。
シオンの情報を元に、ワッツの脳内でアンダーグラウンドに関する情報を掻き漁る。
その検索に一人の青年の名前がヒットした。
「そうか!! 恐昂じゃん!!」
「あーそうそう、恐昂 榊……って!?」
恐昂 榊。
その名を口にした瞬間、シオンの顔から一瞬にして血の気が引いた。
本来ならあり得ないのだ。
リリーヴの本部に恐昂 榊が鎮座しているこの状況が――
そう、つまり、この場所は――
「イーヴァの拠点じゃないですかぁぁっ!?」
「ゲストをいきなり敵地に送り込むなんて、これが『アンダーグラウンド』のやり方かぁぁっっ!!」
「ワッツさんが座標間違えたんでしょぉ!?」
ワッツが転送装置で設定した座標。
それが誤って最も来てはいけない場所、リリーヴの敵対組織、イーヴァの拠点に辿り着いてしまったのだ。
「しかもよりにもよって、そのリーダーの部屋開けちゃうなんて、何考えてるんですかワッツさん!!!!」
時すでに遅し。
読書中だった本を閉じて、恐昂 榊が立ち上がり、侵入者二人を見据えている。
「まだ返答を聞いていないぞ。誰だ? 貴様らは――」
「ひぃっ!?」
目の前にいる人物が、敵対組織のリーダーだと知り、シオンから小さな悲鳴が零れる。
そこへ追い打ちをかけるように――
「……っ!? 何者ですか!?」
「はァ!? 侵入者だァ!? どうやってここに入り込みやがった!?」
ワッツが入ってきた扉から二人の人物が姿を現した。

最初のコメントを投稿しよう!