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【風の行方】
僕は幼い頃から暴風にさらされていた。
躾という名の暴力の風。
無知であるが故のイジメという、これまた暴力の風。
みんなが僕のことを嘲笑う。
笑う。
笑う。
笑う。
だから僕は、それらの風に抗う為に…………
あらゆる武器と防御服を手に入れる為に…………
必死になって勉強した。
そしたら途端に風向きが変わった。
妬みという風が僕を取り巻いた。
そして僕は、その風と戦い続け疲れ、全ての武器と防御服を投げ捨て深い眠りにつこうとした。
その時である。
ふわりと優しい風が僕の頬を撫でた。
僕は恐る恐る、その風の行方を探してみた。
そしたら……
素晴らしいハーモニーを奏でる風が……風が……風が!!
今まで僕が出会ったことのない風が僕を迎え入れてくれたんだ。
この風に身をかせたい。
今日、僕は、そう思ったんだ。
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