すれ違い

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 ただ、海には簡単に言うこと聞かせるほどの弱点があった。  それは、海が食いしん坊だと言うことだ。  「そうえば、海ちゃん!   お見合い行ったら、美味しいご飯食べれるん だってさ!」 え!?え!?え!? にゃにそれ!!行くーーーーーー 海は一瞬でコロッと手のひらを返す。 私は、そんな海に少し呆れながら、自分もお見合いに、仕方なしに承諾するのだった。  お見合いの日は、海の誕生日当日だった。  海が4歳になった日である。 先に、私がお見合いであった。 扉の隙間から海が顔を覗かせている。 「早くあちょぼ」 思わず笑いそうになるくらいだ。 そんな、海は、大人たちに連れて行かれた。 不服そうである。 海はお見合い中、お料理ばかり見ていた。 ヨダレも垂らしている。 お見合い相手の顔すら一切見ていない。 お見合いがお開きとなった瞬間 海は、お凛の手を取り、お料理の方へと走っていったのだった。
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