チーム1

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チーム1

 ヴィランは基本的に室内戦がメインで壁を強化できたり、壁や床の素材によっては射線を通せたり、オブジェクトを倒したり物によっては使用することができる。マップは八つぐらいあって自動生成マップと七つの運営側が用意したマップでシーズンごとに二~三追加されていきyearごとに総入れ替えだから毎year新しいマップになる(たまに懐かしのマップとして帰ってくることもあるが)。  エイムアシストは無く頭は二発で倒せる(武器によっては一発)からヘッドショットが重要。作戦とか連携が重要だがやはり一人一人のプレイヤースキルによる撃ち合いも勝つには大切な要素になる。  ある程度システム的な基本は覚えた。そして操作方法を覚えて一応PvEをできるようになったら次はカジュアル。当然と言えば当然なのだがCPUとプレイヤーとでは全く違う。CPU戦でついた自信はいとも簡単に爆破された。 「はぁー。こうも勝てない上に個人的にもボロボロにされたら……凹む」  だけど悔しいからもっと上手くなりたいって気持ちもあった。だから凹みつつも次のマッチに行く。それからもキルは取れず思い通りにプレイも出来ないマッチが続いた。  だけど0キル続きだったからこそ初めて取れたキルは嬉しくて忘れられなかった。 「やった! キルできた!」  まだ試合中なのに達成感に満たされて気持ちくなりマウスから手を離して思わずガッツポーズをした。その所為でカバーにきた敵にやられたけど。  だけどそんなこと関係ないくらい最高な気分だった。それはまるでジョッキ一杯のドーパミンを一気に飲み干したように最高な気分。  そして毎日毎日ヴィランをプレイし続けて一週間。それなりに対人戦にも慣れてきたら(と言ってもほんとにペーペーのペーで素人に毛が生えた程度だけど)ボクはいよいよランクへ行くようになった。  ちなみにヴィランのランクは、ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ・ダイヤモンド・キング・GODの七つに分かれている。更にブロンズ~ダイヤモンドは三・二・一と分れておりキングの上位百名はGODという最高ランクになるらしい。  ランク戦のランクは最初に十戦の認定戦をしてからつく仕組みなのだが、ボクは安定のブロンズ2だった。流石にボクも自分の実力が無いのは分かってたしこれからコツコツ頑張って上へ行こうと決めていたのですんなり気合を入れた。  それからのヴィランは毎回ランクに行ってランクと実力の向上に励む日々。プレイできる時はプレイしてそれ以外は動画を見たり、授業中は前日のプレイを思い出していた。  だけどそんな日々を送っていたせいで期末テストが大変なことになってしまった。原因は確実にヴィラン。それは母さんにもバレていて危うく禁止されるところだったけど、どうにか二学期の中間テストでの挽回のチャンスを貰った。 「とりあえず一時間ぐらいは勉強しよう。ただでさえ勉強しても点取れないのにノー勉はヤバい」  危機感を抱かされた期末テストも終わり夏休みに突入するとボクは朝から晩までヴィランをした。もちろん時折、勉強。その繰り返しだけで一ヶ月とちょっとの夏休みは早送りされたが如くあっという間にに過ぎ去った。期間は一ヶ月だったけどヴィランにつぎ込んだ時間は膨大で夏休みが終わる頃にはボクのランクはゴールド二と三を行き来していた。
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