Villain For Villain2

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Villain For Villain2

 給食の為に学校に来てるって言う人は居たけど給食のない昼休みの為に学校に来てるって人はいないだろう。だってわざわざ学校に来るより家でご飯を食べるかどこかに食べに行った方がいいに決まってるじゃないか。まぁ授業よりかは昼休みがいいけど。いっそのことずっと昼休みでいいのに。ってそれはもはや学校に来る意味はないか。  とりあえずボクは今日も一人でお昼を食べていた。場所は屋上。ではなく屋上へ続くドアの前。ほら、階段を最後まで上ったところにある狭いスペース。高校生になったら屋上で昼ご飯! って最初は思ってたけどそれは物語の中だけだということを初めて知ったあの日は忘れない。  ドアの前で一人唖然としたっけ。それ以来、少し妥協してこの場所で食べてる。ここは誰も来ないし静かでいい。ちょっと汚いのが玉に瑕だけど。まぁ悪くはない。ボクはいつもパンと飲み物を買ってここで食べている。それが僕の日常。 「あぁーあ。どすこいクレイジーズ運営終了しちゃったし今日からどうしよう」  ボクはもちろん帰宅部で寄り道せず真っすぐ家に帰るという部活動を毎日きちんと全うしている訳だが部活動後いつもやっているMMORPGの運営が終了してしまった。だから今日からどうするかという死活問題に直面している。  あぁそうだ。言い忘れてたけどこの場所の一番の良い所は誰も来ないからスマホでネットサーフィンし放題という点。だからパンを片手にSNSで何かどすこいクレイジーズに変わるゲームが無いかは調べ放題。  すると何やら最近盛り上がっているというゲームを見つけた。 「Villain For Villain? なんか聞き覚えはあるなぁ」  早速、ネットで調べてみる。 「タクティカルFPS。あぁ、一年前に発売したやつか。発売直後に海外では流行ってたけど今は日本でも流行ってるんだ。CPU相手のFPSゲームはやったことあるけど対人はしたことないなぁ。楽しいのかな?」  それから色々と調べていると来週の週末に大きな大会の本戦があるらしい。予選が終わって準々決勝からオフラインでそれが土日にあるみたいだ。 「優勝賞金二千万!?」  過去最高額の優勝賞金ということもあって更に盛り上がってるのか。しかもランクの制限はあるもののプロアマ問わず参加可能。キャッチコピーにもあるようにVillain For Villainの日本一を決める大会らしい。 「へー。楽しそうだな。どうせ暇だし行ってみようかな」  それからその大会の日まではいつも通りの特に何もない日々を過ごした。
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