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Villain For Villain6
そしていつの間にかのめり込んでいた決勝戦は、ファイナルマップに突入した。
攻撃はOFG、防衛は桃太郎。1R、OFG。2R、OFG。3R、桃太郎。4R、OFG。5R、桃太郎。6R、桃太郎。
やっぱりどっちも譲らない。まるで殴り合うかのようにやられたらやり返してる。接戦になればなるほどにラウンドを取ったらファンは大盛り上がり。ボクはどっちを応援してるとかはないけど、そんなボクでさえもラウンド終了時にはテンションが上がる。
そして7・8・9Rと連続でOFGがラウンドを取ると一気にマッチポイントに持っていった。
『おぉーっと! ここで6:3とOFG一気に優勝へと王手をかけたぁぁ!』
『桃太郎も連続で3ラウンド取るしかありませんね! ですがあのOFG相手に3ラウンド連続で取れる可能性があるのがこのチームのすごいところ!』
完全に実況と解説の人のボルテージはMAX。このまま終わるのか? でもなぜか。理由はないけどここで試合が終わる気がしなかった。これは単なる終わってほしくないっていう望みなのかもしれないけどそんな気がした。
『これほど決勝戦に相応しい戦いがあるでしょうか! 王冠に伸ばしたOFGの手を叩き落とすかのように怒涛の3ラウンド奪取! 10:10! 勝負はついにフルマップのフルラウンドをむかえましたぁ!』
『意地でも優勝は渡さんぞという気持ちが痛い程に伝わってくる3ラウンドでした! ここまできてしまえば何が勝利の要因となってもおかしくないですよ!』
『さぁ最後のラウンド、OFGは得意とする攻撃側で勝利を奪い取れるのか!? 対する桃太郎は防衛側で最後まで勝利を守り切れるのか!? 運命の最終ラウンドスタートです!』
最後のラウンドはどちらかがキルを取る度にまるでラウンドを取ったかのように盛り上がった。1つまた1つとキルログが流れていく。ボクにはそれがラウンド終了のカウントダウンにも見えた。長いようで短い、短いようで長い。それは矛盾が交差する3分間。
だけどこれが世界の真理であると教えるように時間は進み最後の瞬間を向かえた。
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