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ふたりが話しているあいだ、わたしはそれとなく彼を観察していた。
紺系のスーツに無難な水色のタイ。
爽やかなビジネスマン風ショートヘア。
一言でまとめると、清潔感あふれる実直な好青年といったところか。
顔はなかなかイケてる。
学生時代、かなりモテたんじゃないかな。
下級生の女子に、高校の卒業式の日に告白されそうなタイプ。
それで、その子と付き合って、そのままゴールイン。
地元で幸せに暮らしました的な将来が目に見えるよう。
つまり、わたしとは、真逆の世界に生きていそう……
そんな好き勝手な妄想を巡らせていたら、当の本人が、ちらちらとこっちを見ているのに気づいた。
そして、目があった。
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