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もしかして、人の心を読む能力の持ち主だとか。
わたしの妄想、見透かされてたりして。
いや、そんなわけないな。
目を逸らすのもおかしな気がして、わたしは余裕ある態度で笑みを返した。
すると、田所は我にかえったような顔をして、視線をそらした。
実は、わたしに見とれてたとか?
いや、それもない、ない。
きっと、気になることでもあったんだろう。
知り合いの誰かによく似ているとか。
「えっと、じゃあ具体的なことは、担当者が承りますんで」
亘に促されて、わたしは名刺を差し出した。
「今回、担当させていただきます、佐久間です。よろしくお願いします」
彼はきちんと両手で受け取り、それから自分の名刺を返した。
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