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勇者のこども
「僕だって、困ったときは助けてほしい!僕の頼みは聞いてくれないのに、皆が助けてっていうといつでも父さんは行ってしまうじゃないか!」
「それは、この家系定めなんだ。それがあるから俺は尊敬され、お前たちはなに不自由なく暮らせているんだ。それくらい理解してくれ。お前もこの血を継いでいるんだから。」
「好きで勇者の生き方をしてるわけじゃないっ!!!……っ」
うなされながら目を覚ますシュウの頬に伝う滴を子猫がペロペロと舐めていた。
慌てて、シュウは袖で目元を擦り雨のあがった洞窟の外に出た。
「もうお前は歩けるな?家へ戻れ?」
地面のぬかるみが酷くない所で降ろし、適当な場所へ歩き出した。
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