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勇者村へ戻る
「ほーら、俺になんてついてくるな」
後ろを振り向くと子猫は一心にシュウを見つめながらついてくる。
その度、体ごと180度向きを変えるが後ろを振り向くとずっと子猫は着いてくる。
「もう勝手に……っ?!」
ため息混じりに宛もなく歩こうとしていたら、脳内に大きな叫びが響いた。
考える間もなく足が勝手に、この間の村へ向かっていた。
「皆さん、このモヤから離れて下さいっ!!戦える方はモンスターを子供たちに近づけないように!」
コウが的確な指示を出しながら村の若者と、モヤの中から飛び出してくるモンスターを捌いていた。
「オ、オレノチカラヲミロ!!!」
モヤの中から火花が散りコウを一点に狙っていた、その時横からシュウの声が
「お前、待ってっ!!」
「ニャア!」
さっきまで抱えきれるほどの大きさだった子猫が急に巨大化しコウの盾となった。
シュウと猫が村に着いた瞬間の出来事だった。
「モンスターだったのか……?」
「シュウ!やっぱり戻ってきたんだな、助けてくれ。あのモヤがどんどん大きくなり、モンスターが絶えず現れるんだ!」
「おう。おりゃっ!」
コウの言葉に剣を構え、素早い動きでモンスターを切り倒していく。
コウのスピードも早いがそれと比べ物にならないくらい早い動きがシュウの勇者たる所以である。
巨大化した猫も、村人たちに襲いかかるモンスターを蹴散らしていった。
「お前が原因だな、さっさといなくなれ!」
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