死刑執行人アダン・ベイロンもまた死ぬ?

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「あの魔女が捕まっただって!?」  地下牢前の長い廊下を行き来する刑史達が、今日はいつにもまして騒がしい。空きっ腹を抱えたまま彼は、日のあたらない寝台からもぞもぞと這いだした。窓のない陰鬱な部屋の灯りをつけて、ドアにひっかけてあったいつもの、死刑執行用の裾の長い、年季が入ってよれよれになっているローブを着こみ、生気も艶もない灰色の髪を整える。  ドアに取り付けられた呼び鈴が鳴り響くのは、仕事の合図。いつもと何も変わらない一日が始まり、いつもと変わらない溜息をこぼしながら、いつも通り彼はドアを三度ノックしてやった。そそくさと足音が遠ざかり、ひそひそと話す声がする。 「……奴に合図は?」 「してきたさ。返事もかえってきた。すぐに準備を済ませて出てくるだろう」 「何か、喋ったか?」 「喋ってなんかいないさ。ドアを叩いて合図をするだけだ。呼び鈴二回は男、三回は女、そういう決まりだ」  陰鬱な部屋の壁一面には、様々な太さのロープがかけられている。その中から、女性の首用のロープを手にとって二・三回軽くひっぱって調子を確かめると、彼は鏡の前に向き直った。垂れた目、日光を当てずに育てたモヤシの如き青白く不健康な面長の顔、青年というには年を取りすぎ、男と呼ばれるには貫禄が足りなさ過ぎる、枯れ木のようなシルエット、「独身男」という称号がぴったりな風情のその死刑執行人が、きしむドアを開ける。この地下牢はいつも暗いが、自分の部屋に比べれば随分と廊下は明るいものだ、と再び首を振り振り溜息を漏らしてから、廊下に立っていた刑史二人に軽く会釈し、彼は長い廊下から処刑場へと歩き出した。 「お、俺、生まれて初めてだ。あんな奴を見るのは」 「普通なら、魔人を見た人間はほとんどあの世行きだしな」 「そ、そうなのか?」 「魔人ベイロン家の連中はそういう奴だ。殺しや陰謀が生業の言葉通りの闇の一族だからな。あのおっかない角に、殺した人間の魂を貯めこんで生きているらしいぞ。関わったら最後、文字通りの最期だ」  若い刑史が思わず目をみはって、絞首用のロープを手に通り過ぎていった死刑執行人、「恐怖」の二つ名を欲しいままにするベイロン家の一員、アダン・ベイロンの背中を凝視する。 「ベイロン家の奴がここで死刑執行人をしていることは、絶対に外に漏らすなよ」 「そりゃ何でだ?」 「そういう取り決めになってるんだとよ。あのぶっとくてチクチクする『ネックレス』を奴っこさん自ら、お前の首根っこ宛にプレゼントされたくなければの話だがね」  声を潜めて話し合うそんな彼らの脇を、静かに通り過ぎていった男の額には、その不健康な容姿には不釣りあいなほどにぎらりと光る、真っ赤な珠を頂いた巨大な角が、そびえ立つように生えていた。  ぎらり、と光るはずの宝珠も、最近はどうも艶がない。もうかれこれ数年も物置に放置されたままの二足三文の骨董品の如く、埃っぽくうす汚れて見える。これはどう考えても、人間の魂が足りていない証である。ぼんやりと、彼は呟いた。 「罪人のだけじゃあ、食っていけないんでしょうかね……」  人間達を無差別に殺戮し、その魂を喰らいながら生き続ける魔人一族として悪名高いベイロン家の血を引いて生まれてきた彼、アダン・ベイロンの性格は、争いどころか殺しなんてものはそれこそ「死ぬほど」苦手、真っ平ご免な、至って平平凡凡で臆病な小市民そのものである。それもそのはず、彼の母親は人間であり、彼は魔人とのハーフすなわち『半魔』だった。だがしかし、それでも父のように人間を殺さないと生きて行けない彼は、文字通り「食っていく」為に死刑執行人という職を見つけ出し、もう何年も何年も、この王宮の地下室で人目を避けるように暮らしている。  罪人の魂はあまり上質な食事とはいえず、腹が満たされることはないが、この仕事ならば少なくとも、善良な一般市民を自分の餌にせずとも、かろうじて生きてこれた。好きな仕事ではないが、天職かもしれない、と自嘲めいた、だがあまり様にならない笑いを、栄養失調のモヤシの如き面長で青白い顔に浮かべて、彼は半魔の生命源でもある角の宝珠を撫でる。  一族の他の皆が、殺し屋やら賊やら、血みどろの世界に生きているらしい、ということも風の噂で聞いているが、たとえ魔人としての平均生活水準なるものを遥かに下回っていようが、魂不足すなわち栄養不足で毎日ひもじい思いをしていようが、そんなおっかないこととは出来れば一生関わりたくはない。それが平穏を好む引き篭りのモヤシ男、異端の半魔アダン・ベイロンの持つ唯一の信条だった。 『目立たず、騒がず、関わらず』  魔人だった父も人間だった母も、それこそ臨終の間際まで、口をすっぱくして自分に言い聞かせてくれた。死刑執行人の職についたとき、王宮関係者に自分の素性は隠してくれろと「懇願」してあるので、死が確定した罪人と一部の刑史しか、死刑執行人がベイロン家の半魔である、と言うことを知らないはずである。 「死人に口なし、ですか」  女性用の絞首縄、せめて首にかけてもチクチクしない様に、そして、締りが悪くて臨終の苦しみが伸びてしまったりしないようにと、彼なりのささやかな心遣いで丁寧に編んだお手製の縄を手に、彼は馴染みの顔の贖罪の司祭の横までやってくる。自分の姿を見て最初は腰を抜かすほど恐れおののいていたが、今では唯一、自分に話し掛けてくれる希少な老人である。白髪頭をぽりぽり掻いて、老司祭が前方から視線を離さないまま、ぽつりと言った。 「美人ですなあ、噂に違わず」  心底名残惜しげに目を細めるその視線の先に、本日の受刑者、一人の女が立っていた。  がんじがらめに鎖で縛られているが、その鎖すらも丸で、彼女の全身を豪勢に飾り立てるアクセサリーの様に見える。手には枷をはめられていたが、やはりそれもまた彼女が身につけることによって、あたかも明日明後日のうちには全世界の女性達の間で流行しそうな最新型のブレスレットに見えた。長い黒髪がまとめて乱雑に縛り上げられているのは、今から自分がその首に縄を結びつけ、絞首台に取り付けた滑車に通してから、力いっぱい引っ張らねばならないからである。モヤシの如き死刑執行人が、思わず溜息をついて呟いた。 「本当に」  そうとう処刑を急いでいたのか、受刑者の服も何も着せられていない。遠慮の二文字も見当たらない豊かな胸、糸杉のように細い腰、極上のオートクチュールの如き美しい黒絹の服は艶やかな光沢を帯びており、鎖で「飾り立てられた」美しい魔女は、毅然というよりはむしろ、余裕の面持ちで、魔女の処刑には欠かせない聖なる魔法円の上を歩んでくる。 「あの魔女も、かつて魔王に挑んだ勇者を何人も倒したそうですよ。美しい顔をしてますが、恐ろしいもんですなあ」  これまた、こんな時と場所だというのに、その恐ろしい魔女の歩みは豪華な絨毯の上を歩く女王の様に見える。 「あの彼女がですか。ああ、失礼ですが本当に、彼女は人間なんでしょうかね?」 「わしは生まれてから、かれこれうっかり85年もこの世知辛い世に生き長らえておりますがね、あれほど美しい人間を、ただの人間と呼んだ日にゃ、バチが当たりそうで」  自分のようなモヤシが、この世の中の最上級の、人並み外れた美を今からあの世にお届けしてしまうことに、奇妙な後ろめたさを感じ、いったいこの美しい魔女は何という名前なのだろうか、と問いかけて、アダンは口を閉ざす。ふと視線を横に投げると、地下牢へと続く渡り廊下の窓から、普段なら決して受刑者の様子など寸とも気にも止めないはずの刑史達が、この美しい魔女を一目見ようと、窓から首を揃えて長く突き出しているのが見えた。目立つのが苦手なアダンは、出番が来るまで、刑場の隅に積まれていた焚刑用の薪の束に腰を下ろして、溜息を吐き出す作業に勤しむことにした。 「そこの執行人を呼んでちょうだい」  美しい声だ、と思わず死刑執行人アダン・ベイロンは顔を上げる。司祭が自分を手招きして言った。 「聞きたいことがあるそうで」 「は、はあ。ですが僕はその……」 「末期の願いですからのう」  基本的にこの場で罪人と口を聞くことは許されてはいないはずだが、最後の願いとなれば話は別だった。今まで人生の締めくくりに魔人と楽しく語らうという選択肢を選んだ受刑者がいなかっただけの話である。おっかなびっくりやってきたアダンに、魔女と呼ばれる女が問うた。 「何人殺したの?」  女性と語り合う機会すら生まれてこの方それほどまでに多くなかったというのに、突然こんな規格外の美女に、規格外な問いかけをされて、流暢に反応を返すことなどできるはずもない。数秒の間モゴモゴと言葉にならない言葉を発した後、 「えっ……えっと、その、18……185人、でしょうか。あなたで186人目になります。殺したといっても、罪人ばかりですが……」 「十分よ。で、あなた名前は?」 「は、その、アダン・ベイロンと申します」 「あなたが私に美しいネックレスをくれるというわけね。アダン・ベイロン」  魔女が、艶然と微笑んだ。 「最後のお礼に何かプレゼントしてあげるわ。あなたが望むものを言いなさい」  アダンは思わず手を止めて、瞬時の間の後に呟いた。 「……お、おそれいります。特に、何もありませんが………」  毎日誰かの首に縄を結んで、滑車と共に引っ張る地味で陰鬱な仕事が、自分の世界の全てである。だが、この仕事以外で生きていく手段もない。そもそも転職したくとも、元死刑執行人を雇いたがる職場は、この世のどこにもないだろう。『つぶしのきかない』という形容詞は自分の職の為にある言葉だということを、アダンは既に理解していた。 「富は? 権力は? 美しい女?」  富や権力も、仮にも宮殿仕えの身である彼にはお馴染みのものだった。自分で持っているわけではないが、もう既に気持ちだけで満腹である。自分の様な、しがないモヤシが持っていたところで、使いこなせそうにないものだということは、これまた自分なりに良くわきまえているつもりだった。美しい女もまた、今目の前にいる女で十分な気がする。秤にかければおそらく、自分がこれから一生の間に目にするであろう美の総量よりも目方の大きい美を全身に詰め込んだ女に、彼は思わずぼやいた。 「こんな仕事じゃなくって、誰かの役に立てる仕事につきたいもんですよ」  自分はここでしか役に立たない存在なのではないか、一生こうして不吉な縄を引っ張るだけの、価値のない存在になってしまうのではないか。納得してはいるはずなのに、拭いきれない何かがある。そんな事をふっと考えて溜息を吐き出しているアダンを、軽く鼻先で笑ってから、 「誰かの役に立つ、ねえ? あなたのその願い、叶えてあげてもよくってよ」  何かを企むような低い声でゆっくりと、香水もないのに香りだしそうな甘美な表情で、目の前の魔女が囁いた。 「185人の大罪人の魂の詰まったその宝珠、いつの日かお目覚めになる我らが魔王の贄に捧げるにはちょうど良さそうよねえ」  ベイロン家は魔王を嫌っている。人間の魂を溜めこんだ彼らの角の宝珠は魔王の大好物でもあり、魔力の源の一つだからである。それゆえ歴代の魔王は、必ずと言っていいほど魔人を狩っては、角の宝珠を奪い取っている。ベイロン家にとって『魔王』というものは天敵であり、魔王に敵対する『人間』はあくまでもただの食糧だった。少なくともアダン以外は、の話であるが。 「ま、ままま魔王……!!?」  それでもなおアダン・ベイロン式「関わりたくないものリスト」の最上級であり、おそらくは「一生関わらないものリスト」の最上級でもあるその単語に反応したのか、いやいやをするように、額の角の宝珠が力なくぺこんぺこんと光り出す。 「今からあんたは私の下僕よ。さあ、役に立ってちょうだい我が罪深き下僕アダン」  絞首用のロープを手にしたまま硬直するアダンの角の宝珠に、鎖で繋がれていた手を伸ばす。何が何だか理解できていないまま硬直していたアダンが手にしていたロープをするりと奪い取り、優雅な所作で魔女はそれを地面に投げ捨てた。その爪に、小さな小さな宝石が埋め込まれている。魔女が高慢極まりない笑みを浮かべ、爪の先でつっと宝珠に触れた途端、爪に嵌め込まれていた宝石と、自分の角の宝珠が甲高い音を立てて共鳴する。 「我が名はオービーヌ。七つの王国を滅した魔王ベルクシュトリーム麾下第一の魔女にして『魔王の紅い爪』」  角の宝珠から突如煌々と発せられた赤く禍々しい光が、足元に敷き詰められていた聖なる魔法陣を掻き消していく。自分の角にはこのような力が潜んでいたのか。アダンは茫然とそれを眺めながら、ふと、幼い日に両親から教わった言葉を思い出す。 『魔女に宝石を持たせてはいけない』  その言葉が脳裏を過ぎった次の瞬間、アダンとオービーヌが立つ処刑台を中心に、地面が不気味な音を立てて鳴動した。 「『私がこの紅い爪で手招きする』………おいでなさい、我が下僕マイノス」  凄まじい轟音とともに地面が裂ける。その裂け目から現れたのは、王宮のバルコニーまで届くであろう身の丈の、筋骨隆々とした巨大なミノタウロスの姿だった。  魔人として生きて来てはいるが、魔女と会うのは今日が初めてである。ミノタウロスという魔物を見るのも今日が初めてである。それも、もしかしたら今日が最後になるのではなかろうか。もう声も出ないままその場に腰を抜かし、酸欠の魚の様にただ口をぱくぱくさせているアダンを、地面から現れた巨大なミノタウロスが、至極適当な所作でつまみ上げ、そして同時に、オービーヌと名乗った魔女を恭しく捧げ持つように肩の上へ乗せた。 「魔女は魔法を使うのに、罪と宝石、人の魂を使う………」  両親から教わった言葉が、思わず口をついてでる。 「あら、あなた随分と半端者の魔人みたいだけど、流石にそれは知っていたのね」 「は、はあ」 「魔人の角の宝珠には、人の魂が詰まっているわ。あなたのそれには、あなたが処刑した人の罪も一緒に詰まっている。すなわち、私にとっては魔法使いの杖も同然。このマイノスも、普通ならせいぜい人の背丈よりちょっと大きい程度のミノタウロス。あなたのその宝珠のおかげで、ちょっと『大きく』なっているみたいだけれど」  要するに、不本意ながらも罪人の魂がたっぷり詰め込まれている自分の角の宝珠を使うと、この魔女の力はとてつもなく倍増するらしい。 「このマイノスに角だけぶち負って貰おうかと思ったのよねえ。あなたみたいなモヤシに毛が生えた様な男、私の趣味じゃないし」 「ひっ」 「けれど、まだまだ『空き』があるみたいね、その角の宝珠。魔王様の贄にする前に、これからたっぷり人間どもの魂で満たしておかないと………」  魔人にとって角を折られるということは命を失うということである。今まさに、この死刑執行人アダン・ベイロンに、執行猶予付きの死刑判決がくだされた。 「我らが魔王様がお目覚めになるその日までせいぜい、私の靴でも磨くことね」  自分の馴染みの『職場』、すなわち陰気な臭いが染み付いた処刑台が、巨大なミノタウロスの鉄槌により、一撃で破壊される。牢屋が破壊され、囚人達の歓声、刑史達の怒号が響き渡る。壊された処刑台から吹っ飛んだ滑車の歯車が、馴染みの老司祭の足下へ転がって行くのが視界の隅に映る。 「達者でなアダン・ベイロン!」  自分に声をかけてくれただけあって、肝が据わっているのだろう。大混乱に陥っている宮殿の刑場の中でただ一人、落ち着いた様子で老司祭が声を投げてくれた。 「良い旅を!わしがこんな老いぼれた聖職者でさえなければ、下僕というその役柄、是非とも交代して貰いたかったものじゃがな!」  呆れ返った仕草で、オービーヌが言った。 「変な人間もいるものねえ。あれは、殺さないでおいてあげるわ」 「お、おそれいります。そうしてくださると嬉しいです………」  王宮付属の処刑場の高くて頑丈な塀をいともたやすく破壊したミノタウロスに抱えられ、アダン・ベイロンは住み慣れた、住み慣れざるを得なかった、思い出の少ない陰鬱な住まいを後にすることになった。 (空が、青い)  日の光が眩しい。空というのはこんなに青いものなのか。いつまで『生かされるか』どうもよくはわからなかったが、すぐに死ぬ事は無いらしい。アダンは、堂々たる体躯のミノタウロスの男を見上げ、おっかなびっくり聞いた。 「…………あとで、靴磨き用の道具をお借りしても、よろしいでしょうか」  オービーヌが言う。 「ついでにその、こ汚い宝珠もきちんと磨いておいてちょうだい。魔王様への尊い尊い献上品なんだから。魔力としては申し分ないのに、カビとホコリの臭いが染み付いていてよ」 「は、はい……」 「私に恥をかかせた日にはあなたのその汚い足の小指を引っ括って100万回箪笥の角にぶつけてぶち折るから、そのつもりでキリキリ励むことね」  気の毒そうな表情を浮かべながらアダンを見下ろしていたミノタウロスが、腰から下げていた革の荷物の中から靴磨き用の道具一式をそっとつまみ上げてくれた。 「マイノス、このできそこないの半魔に下僕の仕事とやらを1から叩き込むのよ。もちろんこんなのでも魔王様への供物だから死なない程度にコキ使わなきゃ」  こうして、死刑執行人アダン・ベイロンに、新たな新天地と、執行猶予付きの死刑判決がくだされた。 「さあ下僕達、わたしの閨を準備して。今日はもう疲れたから寝るわ。服を脱がせてちょうだい」 「ふ、服!? わ、わたしがですか」 「下僕の役割よ。光栄に思うことね。…………ただし、ベッドに入って来たらそれこそマイノスの太い腕で『上のご立派な角』と『下のつまらないツノ』を同時にへし折ってもらうから、そのつもりで」 「か、かかかかしこまりました!」  しかし、彼はとんでもなく高慢だが、この極めて美しいこの女主人を改めて間近でまじまじと見て、そして美しくも複雑な服の留め金の場所を探しながら、彼なりにポジティブに考えることにした。これも、暗い地下室で死刑用の荒縄を結う日々よりは、もしかしたら、ちょっとだけマシかもしれない、と。
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