第2話 小倉兄弟

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新幹線の話で盛り上がった後、オレ達”小倉兄弟”10人は、この”天国界”へ来た時の当時を振り返るように、語り始めた。 「そうか。みんなも記憶を失っているのか。」 「そうなんですの。誰かに脳を操作されたみたいですわ。」 弟妹達を代表するかのように、真っ先に妹”ココロ”がそう語ると、オレは安心した。仮に、オレ1人だけが記憶を失っていたとしたら、虚仮(こけ)にされるところだった。しかし、こんな事があるだろうか? 「僕達もここに来た時、本当に混乱したよね。」 「あぁ、死ぬかも思ったよ。」 「って、既に死んでいるよ。僕達。」 「それにしても、空想に過ぎない”天国”のような世界が、本当に実在しているなんて・・・」 「最初に、そう唱えた奴、ヤバくないか?」 「ってか、一度、ここへ来て、地上へ帰ってきたんだろ。きっと。」 弟達が会話している中、オレは思い切って、尋ねる事にした。
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