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「うわああああ!! なんだこれ! どうなってるんだ!」
アキラが教室で叫びだしたのは昨日の事だった。六時間目の国語が終わった後の放課後、「助けて! 助けて! カードに殺される!」と教室にいたみんなが急におかしくなったアキラを取り押さえたのだ。
俺もジタバタと暴れるアキラの足を押さえて…。
「アキラ! 急にどうしたんだよ!」
「カードが! カードが!」
何度も同じことを口にするアキラ。
「カード?」
「見えないのリョウ? 君の頭の上にいるじゃないか!」
涙を流しながら怯えるアキラの見る教室の天井を見上げる。
交換したばかりの新しい蛍光灯が眩しく光っているだけで、アキラの言う何かは見えなかった。
「待って! 殺さないで! あああ……」とアキラはそこまで言うと、アキラは急に何も言わなくなった。
驚いた友達がアキラの腕を離すとパタンと床の上で虚しい音をたてた。
「アキラ? おい! アキラ! しっかりしろよ!」
まだ呼吸はしていた。
けど俺は動かなくなったアキラの体を必死に揺すったが、アキラは人形のように教室の床の上に横たわっている。
それから、救急車で病院に運ばれたアキラはその日の夜に死んだ。
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