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スラッシュマスター。
後からタクヤに聞いた話だが、それは去年から人気の少年誌で連載が始まったスラッシュマスターの中に登場するカードゲームをおもちゃメーカーのキルトが製造販売したものだとか。
対戦形式のトレーディングカードゲームで、登場からすでにもう先月で5つめのエキスパッションが世に出され、小学生にはかなりの人気を誇っているらしい。
だが俺の知っているおもちゃのカードゲームで一つだけ違うところがある。
「今のカードゲームの主流はフレキオンを使って、仮想空間で戦うことなんだぜ！」
「マジで！」
と、驚いた俺を見たみんなはどこか呆れていた。
「リョウ…お前かなり遅れてるな…。メタバースって聞いたことあるだろ。キルトのサービスでフレキオンを使って仮想空間でバトルができるんだよ。俺なんか先月の大会で優勝したんだ。どうだ！ スゲーだろ！ なあ？シュンもそう思うだろ」
と、自慢げにアキラは腰に手を当てた。
「そ…そうだね…。すごいと思うよ」
いつものことだがシュンはアキラが怖いのか、すぐに顔を俯ける。
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