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と、そこに背後から足音が聞こえた。
「いらっしゃい…。また来たのか坊主たち…」
俺はすぐに後ろを振り返ると、そこには小汚い白髪の老人が…。
普段来ていない俺の存在が気になったのか、値踏みするように俺のことをちらちらと奇妙な視線を送ってくる。
痩せ細った浅黒い肌は皮と骨だけでできているようで、視点の定まっていない目はどこか危なげな印象を与えた。
だが、不思議なことに会ったことがないのに、変な既視感を覚えた。
気のせいだろうか…。
「こんちわじいさん! 今日も、カード買いにきてやったぜ!」
アキラが元気に老人に向かって言うと、「ほほほ。最近の坊主は金持ちだな…。坊主共、かなり買ってくれているが金は丈夫なのか?」と不気味に微笑んだ。
「大丈夫大丈夫! 俺んち金持ちだから」とアキラが自慢げに言ったのと同時に、さらに老人の顔に深い皺が顔に刻まれた。
「そうかそうか。なら、ゆっくりしていくといい」
老人はそう言うと、カウンターの中に入って、店の奥に消えていった。
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