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4年2組に新しい仲間がやってくる。
新しいクラスになって2カ月が経った頃、担任の山之内先生が朝のホームルームの時にそう言った。
教室内は浮き足立ち、いつ?男子?女子?格好いい?可愛い?
等と話題は転入生で一杯だった。
僕はそれどころじゃない。
昨日の宿題がまだ終わっていない。1時間目まであと少し、間に合うだろうか。
「入ってきていいぞー」
山之内先生のその声で教室のドアが開いた。
僕は、持っていた鉛筆を落とす。
肩にかかるくらいの黒髪と、大きな目。
最前列にいる僕にはハッキリとわかった。
彼女は、とても可愛かった。
黒板に大きく一色若葉と書く。
「はい、自己紹介をして」と、そう言われ「一色です。短い間ですけど宜しく」
と無愛想に挨拶した。
教室内がざわつく。
後ろの席の女子から「何、あれ」と不満そうな声が聞こえてきた。
僕は、教室内を歩くその姿を目で追っていた。
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