謎の村

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謎の村

少し行った先の山奥に、謎の村がある。 その村は老朽化した民家や道具などが置かれているのだが、不思議なことが起こる。 1年に一度、時間が戻ったかのように、少しだけ綺麗になるのだ。 新しくなるわけでもなく、ただ、少し汚れが落ちるというところだろう。 普段は誰もいかないところだからこそ不思議でもある。 毎年村が綺麗になる日、俺はその村へ行ってみることにした。 村の前に着いた。 あたりはしんとしている。 その時だった。 遠くの茂みから、一瞬、人のような姿が見えた。 よく見えないが、こちらに気づいたのか近づいてくる。 俺は必死に息を殺して隠れた。 背後から、声がした。 「かくれんぼかい?」 震える体を動かして、声のする方を見上げる。 そこには老人がいた。 老人の被っている帽子に何か書いてある。 それを見て、俺は言った。 「俺も参加したいです。」 夕方、俺は家に帰りながら思った。 やっぱり気持ちが良いな。 ボランティア。
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