消えたペン

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消えたペン

カラン ペンを落とした。 座ってる椅子を少し引いて下を見るが、ペンが見当たらない。 「あれ、どこにいったんだろう。」 机の下に置いてある荷物や引き出しをどけても、ない。 ペンが消えてしまった。 どこへいったんだ? その時、ふとテレビで見た怖い話を思い出した。 この世界と異次元の世界は、どこかで繋がっているらしい。 町の中や、山奥、どこかで2つの世界を結ぶ異次元の穴が存在し、そこに入ると出てこれなくなるのだ。 そしてそれは、部屋の中にもあるようで。 ゾクッとした。 座っている机の後ろから、何かを感じる。 振り返るが、もちろん誰もいない。 何かを感じるのは、ベッドというより、ベッドの下からだ。 異次元の穴にすいこまれたら、出てこれなくなるんだって。 恐る恐る、ベッドの下を覗き込んだ。 あ、ペンあった。
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