エピソード2

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 所長、そこにいらしたんですか?と、今にも椅子から飛び出しそうな勢いで、祐美さんは前のめりになる。  所長は芽衣の肩に手を置き、もうちょっと、肩の力を抜いてリラックスするように求めた。  桑原さんが言ったことは真実だし、今更隠し立てしたところで意味はない。ただ、人には公にしたくはないこともある。たとえ親や友人でも侵してはならない領域は存在する。 「人は過ちをするものだよ。そんなことは恥ずかしいことでもない。学習すればいい。ここでは、人のそういった暗部を見ることになるけど、君ならやれると信じてる」 「はい」と芽衣はしっかりと返事をした。
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