65人が本棚に入れています
本棚に追加
繰り返される悪夢
ほぼ壊れかけの私。
毎晩、悪夢を見るようになった。
真夜中の訪問者、それは壊れた母親が私の夢にまで訪れる。
寝ているときぐらい現実逃避したい私に何の罰だろう。
母親の布団に横たわる私。
私の太腿の上に馬乗りになる母親。
母親の手には料理包丁が握られている。その手は勢いよく振り上げられ、一気に振り落とされる。
私の両手は自由。
母親の手首さえ握ればいいだけの話。 そうすれば私は助かるはずなのに、握ることができない。
現実は雨戸で部屋は真っ暗。
だが、夢では満月の月明かりが射し込んでいる。
料理包丁の刃の部分が月明かりで反射する。光る包丁刃の恐怖で手首を握り損ねてしまう。
刺されるしかない私、包丁を振り上げる母親は笑顔だった。
最初のコメントを投稿しよう!