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私に住み憑く殺人鬼
いつも恐怖との隣り合わせの毎日に嫌気が差し、この家から出て行きたいと何度も思った。
今みたいにスマホが持てて、誰とでも簡単に繋がれる時代ではなかった。
私達の学生時代は、まだポケベルさえも簡単に持つことができず、まだまだ家電で連絡を取り合う時代だった。
できるなら、誰か私を連れ去ってほしいなんて考えるも、残念ながらの容姿に誰も連れ去ってくれないのが現実だった。
私には殺人鬼が住み憑いている。
そんな私には、子供が親を殺してしまう気持ちが理解できてしまう。
逃げ場がない、狭い狭い子供の世界。
大人が知らないだけで、その世界は闇かもしれない。
こちら側とあちら側の世界の境界線に立たされ、ちょっと悪魔に背中を押されたら、その境界線を越えてしまう。
思い通りにならない、ただの子供のわがままではない。
心に深い傷を負い、その傷の痛みさえわからなくなった子供の境界線。
私も、その境界線に立っていた。
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