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私に住み憑く殺人鬼が、私のなかで牙を剥き始め、私は自分自身のことが恐怖にさえ感じるようになった。
親を殺したいなんて言えば、周囲の友人に避けられることぐらい、本当に殺してしまったときに、その発言が不利になることぐらい、お馬鹿な私にも理解できた。
だから、クラスメイトにも、友人にも、先輩にも、先生の前でも、できる限り笑顔でいた。
誰にも知られないように、気付かれないように。
だだ、口に出さなくても当時の彼氏だけは気付いていただろう。
私に住み憑く殺人鬼が、私のなかで上手く共存していくための術、殺人鬼が私を咬み殺すのを回避させるため、この頃から私は両親の喧嘩を直視することをしなくなった。
それは、私自身を守るためだった。
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