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示談と保険金
人間は、若くて障害がなければ回復できるようになっている。
顔の傷も抜糸がすみ、よく見るとわかるがパッと見ただけではわからないぐらいだった。
だが、私が女であり嫁入り前なだけに母親は顔に傷跡が残っていることに執着し、相手の保険会社に強く訴えた。
仕事に復帰しても、しばらくの間のリハビリ通いは続いた。
ムチ打ちもヘルニアの痛みもなくなり、リハビリに通う意味が全くなくなった。痛い痛いと言い続けるにも限界がある。
この件で、母親とのバトルは続いたが、これ以上母親に支配され続けるのにも限界があった。
ようやく、母親の口から示談に応じるとの言葉に私は安堵した。
保険金が入り、今までの受診の負担分として、母親やから80万が手渡された。保険会社には、あれだけ顔の傷跡に対し訴えていたのに、その治療に対しては全く触れられなかった。
私の顔には、今でも交通事故の傷跡が残っている。
当時、保険金がどれだけ入ってきて、
車の購入費と私に手渡した80万を引いて、いくら残っているからという説明もなかった。
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