消し去りたい記憶

婚約破棄の罰

私は一人暮らしで自由になった。

転職をし、再び引っ越し、長い間交際してきた恋人と別れた。
この頃の私は心が荒んでいた。

その恋人が嬉しそうに家族の話をすることさえ、自慢のように思え、私には全く理解できなかった、理解することもなかった。
別れる理由は、それだけではなかったが、結婚の挨拶まで済ませていたのに私は結納前に婚約破棄をした。

結婚する前に、既に心が荒み知らぬうちに愛情すら失せてしまい、交際期間だけが長くなっていた。
私は相手の気持ちを汲み取ることもできず、彼の幸せそうな笑顔ですら疎ましく思うようになり、前に進むことができなくなっていた。

この婚約破棄をする少し前に出会ってしまった彼との交際で、私は婚約破棄をした罰を受けることになる。