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殺人鬼と呪縛からの解放
自分が毎日のように殴られるようになったことで、私は殴られる側の苦痛や心の闇が見えた。
そして、私のなかで静かに眠っていた私に住み憑いている殺人鬼が蘇ろうとしていた。
こんな男に支配されて、これから生きていくのかと私のなかで殺意がちらつき始めた頃、彼はタイミング悪く不機嫌になり、信じられないことに私の大切にしている愛猫を壁に投げつけた。
その瞬間の私は、彼に対し殺意しかなかったが、何故か冷静だった。
力では勝つことはできない。本気でやり合うと愛猫も無事でいられないと、何よりも愛猫を守るため私は怒りの感情を必死に押し殺すことを優先した。
待ち侘びた翌日、彼の不在時に彼の荷物を何一つ残すことなく玄関前に出して出掛けた。
幸いなことに帰宅すると荷物はなくなっていた。
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