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彼が私に笑顔で放った言葉がある。
「俺をこうさせたのは俺のせいではない。全て今までの女達がそうさせてきた。連れの女達も俺に夢中になって、お前もそう…。」
そうやって自分の罪を過去の女達に着せて自分を正当化し、女達を支配下に置き半ヒモ生活を送ってきたのだ。
ようやく、私は彼の呪縛からと覚醒しかけていた殺人鬼から解き放たれ、再び自由になった。
婚約破棄の決断に、あの頃も今も後悔など全くないが、これは天罰が下ったとか思えない。
彼の母親の話では、その後うんと年上の彼の母親より少しだけ年下のバツ女の家に転がり込んでいることを聞いた。
彼にはお似合いの生き方なのだろうが、いつか彼にも天罰が下るでしょう。
私は、次の彼女が彼の支配下で傷つかず無事であることをただ願うだけだった。
これをきっかけに、母親に手を上げ続けてきた父親に、暴力を受ける辛さと母親への謝罪を求める手紙を書いた。しかし、この手紙が父親に届くことはなかった。
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