水平線、彼女の場合

1/1
前へ
/23ページ
次へ

水平線、彼女の場合

海に行ったことがないと言うと、彼は故郷の海辺に連れてきた。 この人の生まれ育った土地。 まるで両親に挨拶しに来たみたいと空想する。 どうしてか、捨てられた空き缶さえ風情があると思った。 彼は「ごめん」と口にした。 まだ学生じゃん。 なんて言葉を飲み込んで「いいよぉ」と返した。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加