水平線、彼の場合

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水平線、彼の場合

水平線を見たことがないと、彼女は言った。 学生の身分では景勝地に誘うことはできなかった。 だから、僕は彼女を連れて故郷の浜辺を訪れた。 その海は、幼い頃のきれいな記憶と裏腹に、ゴミで散らかっていた。 「ごめん」 僕が謝ると、彼女は何故かとても嬉しそうに「いいよぉ」と笑った。
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