不思議なギター

　どういうことだ？そう思った。店主は話を続ける。
　「その楽器には不思議なチカラが込められておるんじゃ。」
　「といいますと？」
　「実際に弾いてみたら驚くぞ。演奏者の実力の、遥か上を行く音色を奏でる不思議なギター。ほれ、試しに弾いてみるかね。」

　勇也はそのギターを構えた。
　とはいうものの、勇也はギターなど弾いたためしがない。
　その瞬間、勝手に指が動き出す。

　奏でられるその音色は本当に美しく、グッと心に迫るものがあった。
　演奏が終わる。まったく自分で弾いていたという意識はない。何だこれは！