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そして文化祭当日。勇也はドキドキしていた。念には念を入れて、昨日の夜、弦もすべて新品に張り替えた。今日、これでついに自分は人気者になれる。
「みんなきっと驚くぞ。」そう思うと、ますます胸が高鳴るのだった。
いよいよ出番が来る。
颯爽とステージに現れた勇也は、自信満々に用意された椅子に座った。
全校生徒の目が、体育館のステージにいる勇也ひとりに注がれる。しん、と静まりかえった会場。
勇也のドキドキはピークに達していた。
ギターを構える。
「ん?」
手が動いてくれない。音を奏でない。
ざわめき始める会場。
そう。不思議なチカラが込められていたのは、ギターではなく、弦のほうだったのだ。
─ 終 ─
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