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「いきなりー?」
「なに?駄目?」
「とりあえずキスしてよ」
小声の涼太と豊の会話の後、粘着質でなんだかいやらしい音が続いた。
キスなんてした事ないけど...涼太と豊がキスしてる...?
体をピクリとも動かせない。
けど、やっぱり気になって。
うーん、と寝返りを打つフリをして、2人の方を向く。
その瞬間、ピタッと音が止み、代わりに俺はすーすー、と寝息を立てた。わざと。
「....あー、びっくりした」
「俺も。続きしよっ?」
口元まで毛布で隠し、そっと瞼を開けた。
いつの間にか、電気は常夜灯になっていて、オレンジ色の明かりの中、涼太と豊が抱き合って、キスを繰り返してる。
....どうして?
涼太は俺の気持ち、知ってるのに。
「そろそろ舐めて、涼太」
「ん」
チュッ、と音を立て、2人の唇は離れた。
すぐに涼太の顔が豊の股間の方へ...。
初めて見る、他人の勃起。
しかも、3年以上、片思いしている豊の....。
慣れた様子で、涼太は豊のそれを舌で妖しく舐め、そして、時折、口に含む。
舌を絡ませ、豊の勃起をフェラし始め、豊も快楽からか、見たこともないうっとりした表情。
暫く、寝たフリをして、2人の行為を眺めるしか無かった。
目の前の光景と思考が追いつかない。
....いつの間にか眠ってしまい、夢でも見ているんだろうか。
艶めかしくペチャペチャ、たまに、んぐ、はあ、涼太も豊も息を上げている。
不意に豊の腕が勃起を夢中で頬張っている涼太のデニム越しに尻を撫で、たまに揉みほぐす。
フェラをしながら、涼太もデニムのファスナーを降ろし、勃起をたまに擦っている。
「涼太、こっち、使いたい」
んー、と涼太は豊の逸物を含んだまま、声にならない声を出した。
プハッと、涼太が口を離す。
「駄目。樹がいるもん」
「お前が声、出さなきゃいい話し」
「えーっ?」
途端、豊は再び、涼太の唇を奪うようにキスをした。
どうしたらいい...。
起き上がって、それで....。
なんて言えばいい....?
わからなかった。
不思議と涙すら出なかった。
ただただ、困惑していた。
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