英雄に至る旅

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少年の旅は順調に進みました。 人々を困らせる魔物を討伐し、 救った村の数が10を越えたとき、 治癒魔法を得意とする 僧侶が仲間になりました。 僧侶は、少年が英雄を目指していることを 応援し、何かできることをしたいと 治癒魔法を教えてくれました。 魔物に荒らされた村を手伝い、 復興した村が20を越えたとき、 王都から使者が来て、 少年と僧侶を王城に招待しました。 王様に多くの村を救ったことを感謝され、 そこで少年の父がかつて英雄の仲間の 剣士であったことを教えられました。 少年は、自らの父親を誇りに思い、 父がついて行った英雄が どんなに素晴らしい人だったのかと 王様に(たず)ねましたが、 王様は言いにくそうに言葉を濁すだけでした。 王様は少年に、魔物を操る邪悪な魔術師を 倒してほしいと言い、 邪悪な魔術師を討伐した(あかつき)には 姫との結婚を許すとも言いました。 少年は魔術師の討伐だけ了承し、 姫との結婚に関しては考えさせてほしい とだけ言いました。 魔術師討伐のお供に、 王様から、少年の父親の弟子であったという 剣士を紹介してもらいました。 仲間になった剣士は、 尊敬する師匠の息子ならば信用できると、 かつて父親が得意としていたという剣技を 教えてくれました。 その後も人々を困らせる魔物を倒していき、 魔術師の噂をもとに旅をしました。 大勢の魔物に囲まれてピンチになったときも 王様から頼まれたという 凄腕の魔法使いに命を救われ、 問題なく旅を続けることができました。 少年は、魔法使いが恋した黒髪の少女 ではなかったことを 少しだけ寂しく思いました。
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