cast.8 三国有香

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翌朝、何事もなかったように私は目を覚まし、ホテルのモーニングを食す。意外と美味しい。その表情を読み取ったのか彼が、 「いいでしょ、ここのモーニング。ラブホテルにしてはいい感じでしょ」 「よく、来るの?」 女の扱いが慣れた感じがして少し嫌悪感がした。 「ううん、ここは僕の祖父が僕に残してくれたホテルなんだ」 へー、金持ちのボンボンか。見た目は大学生くらいで真面目そうなのに、こんな資産を持っているのか。それは凄いな。夜の営みはまぁまぁだったけどね。 で、こいつのいうパスカルの賭けってなんだろ。 考え事をしながら、モーニングを食す。 「ねぇ、人が限界に人を裏切るところ見たくない?」 「どういうこと?」 「んーとね、いまはまだ何も言えない、でも僕はゲームをしていて、最初は100円から始めたこのゲーム、今は6連勝中で6400円になったの、次勝てば12800円、協力してくれない?」 言いたいことはなんとなくわかる。 ゲームか、ゲームねぇ。 一度、死ぬことを辞めたらなんか日常が襲ってくる。 家に帰ってやるべき事など。仕事のことなど。 やだな、こんな現実的な話は。思考は…。 さて、現実から逃げるには、この人のゲームに参加することだよね。
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