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日に日に彼女の衰弱が見て取れた。
来店の時間もしばしば午前0時を回るようになっていた。
従来の規則正しさからはあり得ないことである。
老婆と契約を交わして早1ヶ月、憔悴し切った様子の彼女がレジに並ぶ。
「……やっぱり大丈夫じゃないですよね?」
彼女はほんの一瞬だけ俯いた顔を上げるも、そのまま無言で戻ってしまった。
これは限界を迎えていると察した俺は、
悩みを打ち明けてもらうためにレジ裏の休憩室へ誘った。
初めは頑なに遠慮していた彼女であったが、
俺の真剣な眼差しを認め、それならとようやく聞き入れてくれた。
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