4章 青色

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下駄箱から靴を取って階段を登る。 登り切って2階につけば、一回息を整える。 深呼吸。 制服は親にバレないよう、昨日帰った後急いで風呂で洗って、ドライヤーで乾かした。 完全には落としきれなかったが、目立つ程度にはついていない。あと制服はまだしっかり湿っている。 学校の騒ぎは門をくぐった後からひしひし感じた。 2階は多くの生徒で賑わっている。 スマホで時刻を確認する。8時20分。人々の雑音を振り切り、人の網をくぐりぬけ4組の教室に向かう。 「おーやべぇなこれ」 「これ何?」 「誰がやったんだよ」 「何か窓際席だけ転がってるらしいけど、なんかの事件か?」 窓越しに教室を見れば、青色ペンキでぐちゃぐちゃになっていた。 それだけ確認して僕は職員室に走った。 階段をまた上がり3階にいく。 向かいを左に曲がって走った。 昨日のことを思い出す。 僕らの戦いを思い出した。 職員室につけば沢山の教師があたふたしていた。 「すみません」 誰も聞いてくれない。スルーされる。 「お伝えしたいことがあるんですけど」 僕の知らない一人の男性教員がやっと気づいた。 「ごめんねー誰先生?今みんな先生たち忙しいんだけど。要件はー?」 「今日の2年4組の教室の件についてです」 さっきまで色々あたふたする教師たちの視線が一斉に僕に集まった。 一瞬職員室が静寂となる。 「何か知ってることあるの?」 男性教員が聞いてきた。 「僕もやりました」 「も、って?」 「椎木なつみと、です」 職員室が一斉にざわざわし始めた。 「椎木なつみから電話かかってきましたよね」 「立石、何か関係しているのか?」 奥の方で加藤の大きな声がした。見ればくたびれた表情をしている。怒りも込められたような声色だった。 「関係してます」 「詳しく聞かせてもらう」 僕は職員室内に通された。
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