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「レイラ、どれが欲しいの?」
「んー……全部」
「相変わらずだな」
「だって、チョコレート好きだし……。でも、沢山買ったらまたお父様に怒られる……」
「伯爵、レイラが物買ってくると怒るからな」
「なんであんなに怒るんだろう。私だってこの国に多大なる貢献をしてきたんだし、ちょっとくらい多めに見てくれてもいいと思う」
「それはレイラが買うことによって店が繁盛しすぎて迷惑をかけるからだろうな」
「え?」
「知らないの?天才姫が買ったものって店に張り紙とかされんの。レイラはこの国でも人気だし、その影響で店の営業が追い付かなくなるって伯爵言ってた。店の人を過労死させる、それがレイラだって」
「うわ、知らない間にそんなことになってたんだ。それはお父様、ごめんなさい」
驚愕していると店の奥にスノードームが見えた。
あれ……。
「スノードーム……」
「ああ、あれはクロスランド王国で売られていたものです。本当に綺麗ですよね。あれも天才姫様が考案されたとお聞きしました。クロスランド王国ではとても有名なお土産になっていますよ。世界でも取り寄せが途切れないと新聞に書いていました」
そうか、良かった。
寒波の影響で苦しんでいたクロスランド王国をこうやって救えたという事実。
それがとても嬉しい。
「で、レイラは何が欲しいの?」
「お店の人を過労死させたくないから、この猫のやつにする」
「分かった」
カペルはそういうと猫のチョコレートと他に何個かチョコレートを買って私に渡してくれた。
「え?」
「俺が買えば過労死しないでしょ。伯爵にも怒られないし、食べたいって言ってるレイラを無視したくないし」
「ありがとう……」
やっぱりカペルは最高の婚約者だ。
優しくてかっこいい、自慢の婚約者。
カペルを好きで良かったな。
お店を出て4人で街を歩く。
この先ずっと、こうやって幸せが続きますように。
そう願いながら、私はカペルの手を握った。
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