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「私はただ発案しただけ。それで豊かになったのなら、それは努力した皆の力だと思ってる」 「お嬢の発案ありきでしょ?もっと自分が狙われているって事を自覚してほしいもんです」 呆れたようにため息をつくレオ。 それからすっと私に頭を下げた。 「レイラお嬢様。私はこの身を犠牲にしてでもお嬢様を守ります。私を助けてくださったのは他でもない、貴女様だから」 「レオ……」 「お嬢様の命とあれば、ティアナ様の事もしっかりお守りいたします」 そう言ってレオは呆れたように笑った。 「ところで、どうしてお嬢様は浮かない顔をされているのですか?アストロベガ城への招待なんて、喜んでもいいはずなのに……」 不安そうにマナが私の顔を見る。 私は少し考えてから首を左右に振った。 言っても分かってもらえないでしょ。 『前世で見たから』とか、何のこと?って感じだろうし。 「気にしないで。単に胸騒ぎがするだけ」 「そうですか……」 「お嬢、パーティーには他国の王族の方も来賓されます。カペル様以外の男性に目移りしちゃダメですよ」 「するわけないでしょ」 「即答」 楽しそうに笑うレオ。 私はレオを少し睨んでから窓の外を見た。 ヒロインが現れるのはそのパーティーだ。 ヒロインをこの国に滞在させなければいいわけで。 他の国へ行かせればこっちのものよ。 今から作戦でも練ろうかな。 不気味な笑いをしている私を見て二人は首を傾げていた。 *☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆* 「何?めっちゃ怖い顔してるけど」 私の隣に立っているカペルが私を見てそう言う。 私はパーティー会場をくまなく見た。 まだ主人公は来ていない。 クラウスとティアナは二人であいさつ回りしてる。 とても穏やかでいい感じだ。 今日も安定にティアナが可愛い。 「カペル」 「何?」 「もし、この会場にめっちゃ可愛い女の子がやって来て、その子が全員釘付けにするような子だったらどうする?」 「質問の意図が分からない」 「ワイナー様に『カペルの家で預かってもらいたい』って言われたら、カペルは受ける?」 カペルは少し考えてから首を振った。 「ワイナー様の命令は聞かないといけないけど、それでレイラを不安にさせるなら受けないかな」 「え……」 「俺にとって大事なのはレイラだし」 カペルの言葉に赤くなる。 どうしてこの男はこんなカッコいいんだ。 成長して更にイケメンになりおって!! ……もう、捨てられるのが怖い。 最悪、主人公が私達の国に滞在することになればカペルルートへいくようにしようと思っていた。 私は捨てられてもいいって、覚悟を決めるはずだった。 それなのに、この10年で更に好きになってしまった。 カペルはとても罪深いと思います。 ・
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