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公爵家の娘であるティアナと伯爵家の娘である私。
身分は当然ティアナの方が高い。
それなのにティアナは私を『親友』とまで言ってくれている。
あ い し て る っっっ!!!
こんないい子を悪役令嬢にするこのゲームが許せない。
「レイラ、貴女の好きなショートケーキよ。沢山食べましょう」
ティアナは天使か。
ティアナからショートケーキが乗ったお皿を受け取る。
そしてケーキを食べた。
私の横に座るカペルにドキッとしたけど顔に出ないように必死に堪える。
クラウスはティアナと微笑みあっていた。
「レイラ、クリーム付いてるぞ」
隣からカペルに指で頬についたクリームをすくわれる。
突然の出来事にフリーズしてしまった。
「慌てて食わなくてもケーキは逃げないだろ。相変わらず食いしん坊だな」
フッと笑うとカペルはそのまま指についたクリームを舐めた。
6歳にしてその色気は何事!?
いや、落ち着くんだレイラ。
カペルと私は結ばれない。
だからカペルのこの行動は犬猫にするのと同じなんだ。
勘違いしてはいけない。
自分で言い聞かせて悲しくなる。
そんな私にカペルが首を傾げた。
「そういえば、そろそろカペルにも婚約者をと父上達が言っていました」
「っ!?」
クラウスの発言にケーキが変なところに入る。
思いっきり咳き込むとカペルに背中を撫でられた。
そりゃそうだよね。
カペルも貴族なんだし、婚約者くらい必要だよね。
その人はいいな。
無条件でカペルの彼女になれて結婚まで出来るんだもん。
「僕はその婚約者にレイラを推薦しました」
「は!?」
クラウスの言葉に驚きが隠せない。
今なんて言った?
「顔も知らない令嬢と婚約するより、昔から知っているレイラだったらカペルも安心なのでは、と」
「クラウス、ちょっと待って!カペルの気持ちも聞かずにそんな事、カペルが可哀想では……」
「そうですか?基本的に貴族の婚約や結婚なんて政略結婚です。愛がある結婚もあれば無い結婚もある。それはレイラも知っていますよね?」
「そりゃ……」
「カペルに、好きでもない人と結婚しろなんて僕は言いたくありません」
「いや、カペルは私を幼馴染以上には思ってないから!」
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