悪役令嬢、誕生前のお話

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そういえば、カペルも公爵家なんだよね? ティアナとカペルの両親が王族の親戚だから。 父は二人の父と国王陛下と友人だって言ってた。 ……あれ? 私の父、実は凄い人なのでは? そんな事を考えていると、周りで隣国の寒波について話しているのを聞いた。 隣国の寒波って、確かそれがこの国にまで影響してきて、ゲームの内容にも影響していたような……。 「寒波で農地が被害を受けているって」 「それは大変ね……。食べ物はどうして確保しているのかしら……」 確かにそれは大変だ……。 食べ物が無いのは良くない。 お腹が空けば皆イライラするし、それは争いの火種になる。 確かそんな話もあった。 それはクラウス王子ルートでの話だ。 隣国の寒波を何とかするルートは確か、グレン王子だったような気がする。 でもそれも寒波は絶対起きていて、この国は混乱していた。 その時もティアナは傲慢な態度でヒロインに話していた。 今のティアナは絶対そんな事しないって断言できる。 つまり、その寒波にもティアナが悪役令嬢になった理由があるのでは? だったら、その寒波をなんとかすれば悪役令嬢阻止出来るんじゃないの? 「寒波……」 「レイラ?どうしたの?」 ティアナが心配そうに私を見る。 私は椅子から立ち上がって父の所へ向かった。 「お父様!!」 「レイラ?どうした?このパーティーの主役が中心に居なくてどうする……」 「少し、書庫へ向かいたいのですがよろしいでしょうか!?」 「書庫?」 我がシルヴァ家の地下には巨大な書庫がある。 シルヴァ家の人間は博識で、代々王家に仕えてきたのだ。 頭脳面ではシルヴァ家に適うものはこの国には居ないと言わしめる程に。 ただ、私は全くの馬鹿だけれど。 全然頭良くないけど。 「少しならいいが……。今日はお前の誕生日パーティーだぞ?書庫に行っていていいのか?」 「お父様!隣国は今寒波に見舞われていると伺っております。もしこの国にも寒波がやって来て、そして国民に被害が出てしまってからでは遅いのです。現段階で食い止められる事があるのであれば、シルヴァ家の頭脳を持って陛下へ進言すべきかと」 ティアナの運命がかかってるんだから、絶対に譲れない。 なんか凄いこと言ってるけど、正直他の国民とかどうでもいいんだよ。 自分も寒いの嫌いだし、ティアナを悪役令嬢にしたくない。 ええ、100%自分勝手ですが何か? .
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