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私の勢いに吹き出す父の隣の人。
近衛騎士団団長、そして総帥のカペルのお父様。
「失礼。レイラ嬢はとても立派な思考をお持ちですね。流石はシルヴァ家」
「今までそんな事、一度も言ってきた事はないが……」
それは馬鹿で能天気だったからです、お父様。
ティアナの命運がかかってる今は呑気に過ごしていられない。
私が動けば何かが変わる。
そんな気がする。
思い出せ、私。
このゲームの設定資料を馬鹿みたいに読み込んだくせに。
ティアナ・クリスティはどういう設定だった?
家族構成は?
私は絶対ティアナを悪役令嬢になんてさせたくない。
……あ。
思い出した。
『ティアナ・クリスティ。ヒロインに数々の嫌がらせ行為をし、クラウスとの仲を引き裂こうとしたクラウスルートでの悪役令嬢。
父は近衛騎士団指導統括。近衛騎士団のNo.2である父に厳しく育てられた。心の拠り所であった母親は大寒波の際に未知の病にかかり、彼女が7歳の頃に病死。
以降、父との仲も悪くなり、彼女は人を信じられなくなる。親しかった友人達も離れていき、侍女に八つ当たりをするようになった。
唯一の支えであったクラウスの心も離れていく事を恐れ、ヒロインに嫉妬して嫌がらせ行為を繰り返していく』
なんか、そんな感じ!!
つまり、その大寒波をなんとかすればいい。
寒波がくるのは仕方ないとして、何とか飢えを凌げたり、暖かく出来る何かがあればいいわけで。
この国、エストラルドは基本的に暖かい気候に恵まれた国だ。
そんな国に突然寒波なんてわけの分からないものがきてみろ。
そりゃ皆対応出来ないに決まってる。
だが、私は知っている。
なぜなら前世は四季がある国、日本で生きていたのだから。
当然冬というものは知っている。
まずは飢えを凌ぐための、この国の農作物について勉強しなくては!!
「お父様!書庫へ行って参ります!!」
「レイラ!?」
私は父の制しも聞かずに書庫へ向かった。
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