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東が西武で西が東武(1)
原曲はアメリカの愛国歌なのに、日本では全く違う歌詞がつけられた「ともだち讃歌」という童謡がある。
耳に心地よいメロディであり、いくつかの替え歌があるようだ。そのうち一つが、昔テレビで頻繁に流れていたCMソング。新宿の電気屋のCMだった。
山手線と中央線を歌詞に練り込んだ替え歌であり、新宿に店があるのを印象付けるには、上手いやり方だったと思う。
そんなCMソングほど有名ではないが、池袋にも別の電気屋の替え歌があった。先ほどの童謡より少しアップテンポな曲であり、似ている音の動きもあるけれど、元になった曲は違うらしい。こちらは外国の讃美歌だそうだが、日本人にはむしろ「たぬきの金玉の歌」として覚えられているかもしれない。
池袋の電気屋の替え歌は店内放送のみで、新宿の電気屋のCMソングほど有名ではなく、聴く機会も少なかったという。しかしこれも一度聴いたら忘れられないくらい、印象に残る歌詞だった。
新宿の電気屋ソングの山手線と中央線ではないが、池袋にも、鉄道に関わる特徴的な一面がある。
池袋が終点となる二つの私鉄、西武池袋線と東武東上線だ。線路はそれぞれ山手線の東側と西側に設置されており、西武池袋線に乗る場合は池袋の東口から、東武東上線ならば西口から入った方が近い。
それぞれの鉄道会社は駅ビルのような形で百貨店も建てており、もちろん電車と同じ側。つまり西武は駅の東側、東武は西側にある。
この東と西の逆転現象を、池袋の不思議として、電気屋の替え歌は歌詞に組み込んでいた。
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