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池袋の暗黒街(1)
中学高校時代になると、池袋の利用法も小さい頃とは少し変わっていた。
変化のきっかけは電車通学だ。中学高校は、池袋からさらに電車でいくつか行った駅の近くであり、山手線が毎日の交通手段となった。
私にとって池袋は通学の途中にある駅となったし、学校から同じ方向の電車で帰る友人たちの多くは、そこで乗り換える者たちだった。乗り換えるだけでなく、寄り道して駅周辺で遊んで行く場合もあり、そうなると私も一緒に途中下車して彼らと池袋で遊ぶ機会が増えてくる。
この場合、遊び場は池袋の東側に限らない。もちろん東側にも色々あるのだが、西口から出て、駅の西側で遊ぶこともあった。
学校の友人たちと一緒に遊ぶ池袋西側は、小さい頃に親に連れられて足を運んだ東側とは、まったく印象の異なるエリアだった。
まず、西口の駅前には、東口にあるような大通りがない。さすがに歩道ではなく車道は通っているが、池袋という大きな駅に相応しい規模とは感じられなかった。
東口の西武百貨店に対応して、西口には東武のデパートがデンと構えているわけだが……。たとえデパートは建っていても、東武には失礼な言い方になるけれど、こちらは池袋の正面玄関ではなく裏口。それが私の印象だった。
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